ノベマス供養「ぼくのかんがえたさいきょうむてきのあいどる」(2)

シナリオだけ書く予定がなんかSSになっちゃったぞ(白目)。粗が多いだろうけど。
現時点で把握している限り読者1名。正直、想定より多い。

(1話目と記事の概要はこっち


・三条ともみが「無かった事」にされなければ声優が被っても全く問題は無いんですが・・・。
ただ、あったら正直怖い。


・ガミPが玲音のコンセプトを名言しましたね。
どうやら、僕の想定してた「最強アイドル」とは違って、正統派路線のようです。
ただ・・・。

「ランクを超えた存在」ねぇ。
ランクSという評価で測られる日高舞を超えるんでしょうか。
それだったら・・・。
ちなみに、以下のボツノベマスの原案は「舞さんを超えるアイドルってのがいたら、どんな事になってしまうのか」ってのが元になっています。
ディアリースターズ所属なんで、こういう発想が出てきました。


繰り返し。
言うまでもありませんが、このテキストは「アイドルマスター(無印、2、DS、SPその他)」を基盤とした二次創作です。

なお、確実にミリオンライブ登場前(シンデレラガールズよりも前かも)にシナリオは組みました。
つまり玲音さんは実際の玲音さんとは全く関係ありません。
あと、結構ハードな描写がある(ボツの最大の要因の1つ)ので、ご注意下さい。





――――――――――――――――――――――――――――

「あの瞬間」から15時間後。
真は、まともに眠れていない状態のまま、たるき亭の前に立ち尽くしていた。
小川さんの話し声と、首都の喧騒が虚しく響く。

「どうしたの?真ちゃん」
「あ、いや・・・ちょっと、ね。
うーん、昨日食べ過ぎたかな・・・」
「だ、大丈夫!?」
「今日1日は大丈夫じゃない・・・かも。
ま、でも心配しないでよ。
そもそも、今日はオフだし・・・」

真はノータイムで決意を固めた。
雪歩には今回の件は相談できない。
誰よりも信頼してるけど、誰よりも心配かけたくないし、相談事のベクトルが違う。
・・・本当に食べすぎだったら相談してただろうな、と考えつつ。

・・・それに、雪歩は・・・。
「あ、オーディション頑張ってよ」
「もちろんですよっ!
玲音のステージ、間近で見られるし・・・」

「・・・うん。得るものがあると思うよ」




10分後。
「・・・伊織」
「何よ?食べすぎてそうにもない顔して」
「さっきの聞いてたの!?」
「たるき亭が準備中だったから、ちょっと借りてたのよ。
ほら、この前のドラマの台本。
OK出たけどしっくり来なかったし、練習しないと、って。
事務所で大声出すの気が引けたし。悪かった?」
「あ、小川さんじゃなかったんだ、あの話し声・・・」
「で、何の用?」




「そんな訳ないでしょ」
一刀両断。
伊織がけんもほろろに振るなんて、真は想像もしていなかった。

「いや、でも・・・」
「玲音がそんな事、する訳ないじゃない」
「ま、待って!」

「・・・確かに。
玲音が性格悪いって言われても、驚かないけど・・・」
「驚かない、けど・・・?」
「日高舞にストレート勝ちしたアイドルよ?
他人を妨害する必要が無いのよ。
それに、あの実力で性格の悪さがあるんだったら、
とっくの昔に露呈してると思うわ」
「・・・でも!」

「・・・分かってるわよ。
ま、あの番組のスタッフは警戒しておくわ。
プロデューサーにも伝えておこうかしら」
「・・・あ、そっか・・・」
真は、直接、玲音の声を聞いた訳では無い。

「人間、思いもよらない権力を手に入れると、
小物だったら調子に乗っちゃうものよ」
「伊織は調子に乗ったら僕たちが止めるから大丈夫だよ」
「アンタが先に言ってどうすんのよ!
万一の場合は頼るわよ、って言ってあげようとしたのに!」

ああ、これだ。
これが欲しかったんだ。
765プロの、日常。
真の表情は、気が付いたらいつも通りになっていた。

「・・・あ、1つだけ聞くわ」
「え?全部話したつもりだけど・・・」
「全部、ホントのこと?」

「・・・ホントだよ」
「今日の仕事、代わりなさい。
プロデューサーには、私から話をつけるから」
「え?でも・・・」
「絵理の見舞いよ」

「・・・分かった」
真は悟りを開いたような表情で首を縦に振った。
あの、話の内容が本当なら。
最悪の場合・・・。

(・・・全てが仕組まれていても不思議じゃない)

「あ、涼にもよろしく言っといて」
「あースタッフに殴り掛かって謹慎中だったわね。はいはい」
「殴り掛かった、って言わなくても。
あ、マネージャーさん!おはよー」
「あー確かに・・・あら?」




「・・・律子」
「ごめんなさい、は要らないけど?」
プライベートな話をしてもバレない空間・・・社用車の中で、伊織は律子に話しかけた。
急に駆り出されたから、律子にしては表情が冴えない。中身はそうでもないが。
「・・・他愛も無い雑談よ。
ま、だいぶ暗い話だけどね」
「・・・はいはい、運転に支障ない範囲内でね。
えっと、プロデューサーが入院してたのと同じ病院、と・・・」

「秋月涼って、だいぶ責任感じて無理するタイプ?」
「何と言いますか、手荒い褒め言葉ね・・・そうだけど?
ま、それで何かあって拳を上げたのかもね。
私なりに雷は落としたけど、本気では怒れなかったわ。真も少しくらいしか気にしてなかったし」
「うーん、ちょっと違うわ。
例えば絵理の件で色々あって、スタッフの胸ぐらを掴んだだけで向こうから『殴った』とか大袈裟に言われたけど責任感じて黙ってる、とか」

律子の顔が引きつった。
バックミラー越しに自分の顔を見ているから、余計に。
「・・・そう来ますか」
「くどいけど言うわ、ごめんなさい」
「うーん、復帰時を見越したレッスンの手伝いはしてるけど・・・。
・・・あっちゃー。
そろそろアイツ締め上げて聞き出さないと」
「程々にしなさいよ?」
「いーや、締め上げます。
正直、伊織も締め上げたいけど・・・まだ何かあるでしょ?」

「・・・お手上げね。
ぜーんぶ、仕組まれてたとしたら?
絵理たちだけじゃなくて、魔王エンジェルと、961プロも」
「黒幕は?」
「玲音。もしくは周りのとりまき」

「・・・情報源は?」
「真と・・・言ってもいいか、麗華よ」
「真?あぁ、さっきの・・・たまたま聞いたのかしら。
東豪寺さんは?」
「メンタル不調のフリして内偵中らしいわよ。
ホントに3日間は凹んでたらしいけどね。
・・・『おそろしいもの』を見たから、調べる、って・・・」

「・・・雪歩、大丈夫かしら」
「今回は大丈夫でしょ、元からスランプだし。
眼中にない・・・と、信じたい」




玲音の出るオーディション会場。
参加者は、もうランクを問わないるつぼ状態だった。
玲音の前にはランクA~Fもう関係ないから、というのが理由。

ここ最近、スランプ状態の雪歩もそうだった。
スランプでもオーディションの勝率は保っていたが、今日の結果は言わずもがな。

・・・ましてや。
「・・・雪歩、本当なのか?」
「ホントに、真ちゃんが言ってたんですぅ・・・」

さっきの会話。
玲音、というワードを口に出した瞬間、真が表情を曇らせたのを雪歩は見逃していなかった。
そのまま伊織との会話を盗み聞きしてたりする。
ちなみに真には後からカミングアウトして謝ったが、今回の発端そのものが盗み聞きなので苦笑いされた。

じっと、玲音を見つめる。
雪歩は彼女を見かけるのはこれが3回目くらいだが、相変わらずだ。
胸に手を当てて、深呼吸。

「・・・いけそうか?」
「や、やってみます」
決意した表情の雪歩。
ただ、プロデューサーには、見覚えがあった。

・・・犬を恐れて、無理矢理自分を奮い立たせて挑んだ、最初のステージ。
地方の夏祭りの会場だったか。
自分も犬嫌いだから余計に覚えていた。
信頼できる表情だけど、ランクAになった雪歩が、この表情を持ち出したのには一抹の不安がある。

今回の雪歩は、1番手。
「・・・1番、萩原雪歩、行きますっ!」




オーバーランだった。
限界を狙いすぎて、ところどころ粗がある・・・といったところか。

「・・・あっちゃあ・・・」
「・・・だ、大丈夫?」
なんとかステージを終えて、降りてから、明らかに動揺している。
他の事務所の参加者にも声を掛けられる始末。
「・・・やっぱ私、ダメダメですぅ・・・」
「ダメダメなのにステージ降りるまで意地で持たせられるんだ・・・。
・・・すごっ」
他の事務所の参加者にフォローまで入れられる始末。
なお玲音は彼女の前である。というか本日のラストバッター。一番胃が痛いポジションなのは彼女。

「・・・でも。
やっぱ、私じゃ・・・」
・・・舞台袖で出番を待つ玲音を、見る。
圧倒的な存在感。
他のアイドルはいない、と言わんばかりの。

「気付いてるのは、アンタだけじゃないよ」


「・・・えっ」
この会場に来てから、初めて、雪歩の目線が玲音とP以外に向けられた。
「えっと、確か、あの子って・・・」
「・・・渋谷凛」




玲音というアイドルが2ヶ月前に登場してからというものの。
他のアイドルのランクアップが止まるほどになっていた。
では。
アイドルになっていない少女、はどうなるか。

「・・・うちの事務所、予定通りだったら、どうなってたんだろ」
ラストバッターは、彼女のプロデューサーに話し掛けた。
「100人単位でスカウトする予定だったから、たぶん・・・」

アイドルのスカウト。
全てのアイドルを灰燼とする彼女の前には、それは意味を成さなかった。
ましてや。
彼女は、圧倒的な強さ以外は、個性はオッドアイに代表される派手さぐらい。
ちょっと濃いだけのアイドルは、オーディションで勝てなくなっていた。
彼女がいなければ、羽ばたいていたであろうアイドルが。
彼女が、アイドルの基準を作ってしまっていた。

スカウトしてあげても、勝たせられない。
この方針じゃ続けられず、断念せざるを得なかった。
結局、自分から志願したアイドルか、元からアイドル志望だったアイドルしか残っていなかった。
雪歩同様に「応募させられた」アイドルも少なからずいたが、残っていない。

「初期メンバー4人を除けば、残ったのは8人、か。
・・・いや、『あの子』も・・・」
「・・・そうだな」
そういう過程があったから、凛の事務所は全く別ルートで玲音に迫っていた。
結局、千川ちひろが何か裏ルートで見つけたらしい。

「・・・大丈夫か?」
「ま、やるだけやってみるよ。
雪歩さんと合わせて、パーフェクト阻止するくらいはできるといいな、って」

渋谷凛。
デビューから3ヶ月、ランクEのアイドル。
ただし、知る人ぞ知るアイドルだった。
今の状況で、ランクEまで上がったのである。

「・・・さーて、玲音さんはどう出るかな」
あっという間に、玲音の番。
彼女が、ステージに、立った。

さぁ、見せてよ。
王者のステージを。
全力で、喰らいついてみせるから。


「バラード系!?」
雪歩が、思わず叫んだ。
玲音なら、何を歌ってもおかしくないけど、腐っても765プロが出るオーディションだ。
この手の曲を、この場で持ってくるのは初じゃなかろうか。

もちろん、今まで何度も歌っていた。
だけど。
実際に見るそれは、息を呑む完成度だった。
なんだろう。
この、感情は。


「・・・凛、いけるか?」
最後尾のアイドルの番が、来た。
玲音は言うまでも無く失敗の無いステージを見せた。

「・・・」
こくり、とうなづく。
ステージに、上がる。
(・・・何か、変だ。
どうしたんだろ、私。
でも、大丈夫。トレーナーさんも、千秋さんも、数時間単位で付き合ってくれた。
あのレッスンを、思い出せ)


スポットライトに照らされて。

バックミュージックが流れ出す。

凛が、口を開ける。




静寂が、けただましい音の舞台を包んだ。
(声が出ない!?)


時が、止まった。
「凛ーーーッッッ!!!」
スピーカーと、彼女のプロデューサーだけが、動いてる。
凛も、声を絞り出そうとする。
出ない。
喉に、手を当てる。

プロデューサーが、スタッフの静止を振り切り、ステージに上がったと同時に。
渋谷凛は、倒れた。


「・・・これが・・・」
呆然と、雪歩と、プロデューサーが、ステージ上を見る。
「これが、玲音・・・」

魔王エンジェル、日高舞にストレート勝ちしたアイドル。
つまりは、そういうことです。
「兵器」なのでしょう。




「・・・凄い・・・」
雪歩は、目の前で起きた惨劇を、ただただ見ていた。


目の前で、一人のアイドルが、死んでいく光景を。




「勝手に殺すなーーー!!!」
凛と担当Pが叫んだ。
「わぁ!?」
「そりゃそうだろ雪歩!気持ちは分かるが!」
反射的に手を合わせて拝んでいた雪歩にプロデューサーがツッコミを入れる。

「・・・まぁ、臨死体験・・・だったかも・・・」
不要になった担架にちゃっかり座りながら、凛が呟いた。
喉に手を当てている。
声を絞り出す事はできるようになったらしい。
「・・・あー、悔し。
ホントに、声が出ないなんて、あるんだ・・・」


アイドル2人と、P2名は、黙って勝者を見ていた。




これが、玲音。


(To be continued)




絵理復帰まで書いたところで力尽きそうで怖い(身も蓋も無い発言)。
ちなみに劇中の「8人」は一応リストアップした結果の数字なのですが、抜けがあるかもしれないです。

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by icelake876 | 2014-05-08 23:28 | 雑談(アイマス系) | Comments(0)  

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